宙(ソラ)からの贈り物
2006年 12月 03日
曇天に遮られ、お月様は海の様子が心配そう。
『あぁ…どうしよう?どうしよう…?
今年最後の大潮に、産まれる珊瑚が迷ってしまう…』
ぶ厚い雲に遮られ、お月様には海の様子がわかりません。
何度光を投げかけようも、雲の厚さに遮られ。自分に返ってくるばかり。
夏の最後の大潮は、それだけに力も強く
珊瑚の卵をより遠くへと運んでくれる海からの贈り物。
珊瑚達も最後の求愛の調べを奏で、夏の終わりを惜しむのに。
珊瑚達と卵を思い、お月様は胸を痛めるのでした。
<大丈夫…。ボクが光を届けてあげる…>
言うが早いが極光の子が海へと身を躍らせます。
送り出した極光も、その手を広げ、
お月様が珊瑚を照らせるよう光の絹を投げかけるのです。
by yoiyaminohara
| 2006-12-03 01:57
| 海猫族シリーズ