こんにちは、睡蓮と申します♪不定期更新型の創作web絵本ブログです。 ネコのトーマス卿と一緒に不思議の国を旅してみませんか?    アフィリエイトの紹介などは削除させて頂いております。


by yoiyaminohara
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ:魔人と塔の姫君( 6 )

魔人と塔の姫君

魔人と塔の姫君
 姫君の災難
 囁く声。甘い言の葉。
 乱れる心
 頬なでる風
 そして、姫君の災難
[PR]
by yoiyaminohara | 2006-03-22 17:34 | 魔人と塔の姫君

そして、姫君の災難

a0069034_2132498.jpg

 塔の上に降り立つと、使い魔達が驚いた顔で姫君を迎えます。
魔人の部屋に向かおうとする姫君を、身体を張って停めようと。
 怒りの収まらぬ姫君が癇癪をおこしても、頑として譲ろうとは致しません。

 これには姫もほとほと困り果て。
「話があるのよ。通してちょうだい。」
 溜息混じりにそう呟けば、思案顔の使い魔達もしぶしぶ姫君を招きいれ。
通された魔人の自室では、当の魔人が臥せっておりました。

 「???私ももうすぐ終わるのか?愛しい姫の幻が見える。」
そんな気弱な発言に、姫君の怒りは最高潮。
 「この!!身勝手な大ばか者!!女の口説き方さえ知らないの!?」

 姫君のあまりの剣幕に、魔人は驚き飛び起きて。

 恐る恐る手を伸ばし、柔らかな姫君の頬に触れるのです。
「愛しい姫よ。愛してる。どうか私と暮らしてくれまいか?」
ようやくの素直な一言に、しぶしぶ姫君も承諾し。こうして勝気な姫の愛を得た魔人は、愛しい姫君のお尻に敷かれつつ、
いつまでもいつまでも、邪魔の入らぬ断崖の孤城で二人仲良く暮らしました。
[PR]
by yoiyaminohara | 2006-03-02 21:34 | 魔人と塔の姫君

頬なでる風

a0069034_1563596.jpg

 頬を撫でる爽やかな草原の風に、姫君は目を覚まします。ふと足元を見れば、すんなりと伸びた自分の足が、大地を踏みしめる感触が。
 若草の瑞々しい肌触り。花々の褥に思い切り身体を伸ばして。
再び勝ち得た自由を。思う様、堪能しようと思うのに。なぜか姫君の心は晴れません。
 
 それどころか。思い出す毎に沸々と、魔人の身勝手なやり方に腹がたって腹がたって。
起き上がりざま、う~んと一伸び。大きく羽を羽ばたかせて、魔人の城を目指します。
文句の1つもつけてやらねば、姫君の腹立ちは収まりそうにもありませんものね。
[PR]
by yoiyaminohara | 2005-12-21 01:56 | 魔人と塔の姫君

乱れる心

a0069034_20293134.jpg

山海の珍味に、極上のワイン。彩りも鮮やかなフルーツは異国の薫り。
何をどんなに並べても、姫君はただ背を向けるだけ。

 「どうか、何かを食べておくれ?これではそなたが死んでしまう。」
心配そうな魔人の懇願にも、姫君は頑として首を縦に振ろうとせず。
 物も言わずに寂しげな瞳で、窓の外を眺めるばかり。傍目にも解るほど、姫君の身体はやつれ果て。

 魔人の心は乱れます。愛しい姫を手放すか、はたまた留めて死に至らしめるか。
湯気の立つ料理を残したまま、魔人は塔を離れます。自らが居ない内ならば、姫君も何かを食べるやも知れませんものね。
 そんな魔人の心尽くしも、姫君の心には届きません。格子越し、手を伸ばせばそこにあるのに飛べぬ宙(ソラ)の下、
風を切って飛んでいたあの頃を懐かしむばかり。


 頬なでる風へ進む
[PR]
by yoiyaminohara | 2005-12-20 20:30 | 魔人と塔の姫君

囁く声。甘い言の葉。

a0069034_23124943.jpg

 格子越しに魔人の声が聞こえます。  
「どうして、無体な事をする?どうか私に微笑んでおくれ?」
甘い、甘い囁きに。ふと心を動かされそうにもなりますが。
 先に無体な事をしたのは魔人の方。姫君に折れる気はありませぬ。

 己が快楽を追求するのは魔人の性。魔人に理屈は通じません。 
姫君は、ただただ不審の眼差しを向けるだけ。
 
 己が暴挙も何処吹く風か、寂しげに魔人が暇を告げ、塔に静寂が戻りました。
大きな溜息を1つ。ざぶんと水しぶきを上げて、新しく得たお魚の尻尾を堪能します。
 宙を飛ぶのと、また違った感触が姫君を慰めてくれるのでした。
 
 今日も今日とて、様々な贈り物を携えて。魔人が塔に登ります。
相変わらず不機嫌なままの姫君に。
「どうすれば私に微笑んでくれる?」
何の悪気もなく尋ねる魔人に、カチンと来た姫君が。

「わけもわからず攫われて。挙句の果てに閉じ込められて。
これでどうして笑えるの!?」
語気を荒げる姫君でしたが、ニコニコと微笑む魔人に毒気を抜かれて溜息1つ。

 「思った通りの心地良い声。怒った顔も愛らしい。
これで私に微笑んでくれれば、世界の全てを捧げように。」
蕩けるような笑顔で囁かれる、物騒なセリフ。姫君は呆れて二の句が次げませぬ。
 ツイ…と魔人に背を向けて。後は何を言われても、黙って背中を向けるだけ。
暇を告げる寂しげな声にも知らぬ振り。


 乱れる心へ進む
[PR]
by yoiyaminohara | 2005-12-18 23:17 | 魔人と塔の姫君

姫君の災難

a0069034_22353176.jpg

 断崖の絶壁に孤城が建っております。海に張り出した塔の中、
今日も不機嫌な顔の姫君が閉じ込められておりました。
 どうしてご機嫌ナナメなのですって?

 お散歩の途中で魔人に見初められ、有無を言わさず攫われて。
今は格子の嵌った塔の中、日永一日、窓の外を眺めるばかり。
 姫君の繊細な蝙蝠の翅では、ずっしりと水気を含んだお魚の尾びれは支えられませぬ。

 冬薔薇を抱えて、魔人がご機嫌伺いに。甘いお菓子に大粒の真珠、
何を捧げにやって来ても姫君のご機嫌は治りません。 

 こうして今日も姫君は、不機嫌な顔で窓の外を眺めるばかり。


 囁く声。甘い言の葉。へ進む
[PR]
by yoiyaminohara | 2005-12-16 22:37 | 魔人と塔の姫君