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by yoiyaminohara
| 2006-06-24 21:56
| トーマス卿/研究日誌
オレンジ色のアークトゥルス、白いスピカが耀く頃。
春一番の風が吹いて、一雨ごとに森や野原が芽吹いてきます。
宵闇野原にも、眼にも艶やかな野の花が、所狭しと春の饗宴の真っ最中。
水気をたっぷりと含んだ瑞々しい若草は、踏みしめる足をやんわりと押し返してくるのです。
この時期のトーマス卿はいつも寝不足。
ナゼって?穏やかな春の日差しを燦燦とあびたタンポポが、
辺り一面に咲き誇るから。
『野に咲く小さな太陽』と謳われるタンポポの根は、仄かな甘みが特徴の、
軽い飲み口の珈琲となるのです。
お日様の恵みを一身に浴びて、大地の滋養を蓄えて。
そのタンポポの根を傷つけないよう、細心の注意を払い、
絶妙のタイミングで収穫すれば、ソレは憂鬱病(メランコリー)の特効薬。
トーマス卿は訪ねてくる客人のため、せっせとタンポポの根を掘るのです。
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by yoiyaminohara
| 2006-05-19 23:53
| トーマス卿/研究日誌