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こんにちは、睡蓮と申します♪不定期更新型の創作web絵本ブログです。 ネコのトーマス卿と一緒に不思議の国を旅してみませんか?    アフィリエイトの紹介などは削除させて頂いております。


by yoiyaminohara
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神話/再誕

神話/再誕_a0069034_1283268.jpg

 燐光はその輝きを増し、眩く辺りを包み込みます。
夜族の大人たちが遺跡に辿りついた頃、沈み、壊れた神殿は、崩壊の調べを奏でつつ、その身に宿った祈りの力を解き放ったのです。

 最後の塔が海面に沈み、小波もそよと消えた時。
 鏡の様に小波1つ立たなくなった海面は、それでも呆とした光を放ち続け。
眠り行くねこの目月の13夜の下、静かに静かに森を海へと変えてゆきます。

 いまだ心定まらぬ、大人たちの見守るさなか。白き翼に導かれ、仔猫がぽっかり顔を出しました。

 いまわの際に捧げられし、切なる願い。仔猫は魔物を、魔物は仔猫を。それぞれがお互いを思いやり。
神無き玉座の神殿は、午睡ろみに守られしその歳月をから解き放たれ。崩壊の力をもって、2人の祈りに応えたのです。 

 こうして魔物は海底遺跡の守護となり、仔猫は全ての海猫族の始まりとなり。
魔物はガーゴイル伯の名を贈られて、産まれたばかりの海猫族の、新たな導き手となりました。

 こうして2つの種族は新しい物語を紡いでいくのですが、ソレはまた別のお話なんですよ。
by yoiyaminohara | 2005-12-11 01:29 | 神殿とネコと魔物の物語