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by yoiyaminohara
| 2006-11-26 22:31
| 海猫族シリーズ
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by yoiyaminohara
| 2006-11-24 23:50
| トーマス卿/研究日誌
招待状を携えて、トーマス卿はラッパ蛙を訪ねます。
水面にはホタルの幻想的な光が映り。
水気を含んで咲き誇ったアジサイが、ぐるりと池を縁取ります。
沢山のラッパ蛙が集まって。
今宵は夏を呼ぶ夕べ。雨音の音楽祭。
おやおや?まだ尻尾をくっつけた新人は、
緊張の面持ちで始まりの合図を待っていますよ?
ポツポツ…ポタン…。
ポタン…ポター…ン。
雨音の調べに併せて、透き通った声音のテノールが。
それを支えて、更なる深みを増すバスや、
艶やかな華やぎを加えるバリトンも続きます。
眼を閉じてうっとりと聞きほれるトーマス卿の耳に、
先ほど緊張していた“尻尾つき”がカウンターテナーを響かせて…。
小糠雨に不純な音はかき消され、
不思議な静寂と心地よい生命の謳声が響きわたり…。
照りつける夏の太陽も、今はまだ雨音のカーテンの向こう。
全てを支え、慈しみ、育む恵みの雨が、今宵も大地を潤わすのです。
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by yoiyaminohara
| 2006-07-12 00:49
| トーマス卿/研究日誌
雨音にまじり、かすかに響くハーモニー。
トーマス卿があたりを見回すと、水面に浮ぶ蓮の葉に、
誇らしげに歓びの謳を歌うラッパガエルがおりました…。
「こんばんわ、いい謳ですね?」
余韻を残し、最後の音が宙(ソラ)へと消えたあと。
宝物を見つけたような微笑のトーマス卿が、ラッパガエルに話しかけます。
「こんばんわ。トーマス卿。 お褒め頂き、光栄です。」
嬉しさと、入り混じる気恥ずかしさに頬を軽く上気させ、
ラッパガエルの青年は誇らしげに胸を張ります。
夏を呼ぶ祭りをするために、夏至に近い雨の日を選んで演奏会を開くそう。
「宜しかったら、いらして下さい。」
招待状を送る約束を得て、今宵の散歩はココでおしまい。
透き通る声に見送られ、トーマス卿もいつしか鼻歌まじり。
今年の夏至のお天気やいかに?
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by yoiyaminohara
| 2006-06-28 19:26
| トーマス卿/研究日誌